思い出のあれこれ。
高校生の時にバイト先の専門学生と付き合っていた。
好きとか嫌いとかより顔がまぁよかったという理由だった。
その彼はバイト先の近くでお姉さんと2人暮らしをしていた。
そんな彼はビックリするくらいダサかった。
それはそれはビックリするくらいダサかった。二回同じ事を言うからそーとーだと思って欲しい。
なんかよくわからない絵具が飛び散った服をよく着ていたし、さらに(あえて)破れたTシャツもよく着ていた。
そしてどれもそのTシャツ達はピチッとしていた。
最初は許せた。まぁ顔がいいし…と思っていたが、付き合っていて気付いてしまった。
彼は壊滅的に話が面白くなくてどうしようもないという事に…。
箸が転んでも笑う様な年頃の女子高生に言われてたのだからもうまじで終わってる。
話が見切り発車な上にオチがつけられない。
すごい勢いで話してるかと思いオチをまっていると急に黙るので、『え!?終わり?』と毎回何度も確認していた。
夏休みぐらいに付き合い始めたそんな彼。
冬が来る頃には嫌気がさし始めお別れを決意し伝える事にした。
当時メールで終わらせようと思って送ってみたが会いたいと言われたのでバイト先近くの川沿いの公園で話す事になった。
寒かったし、早く終わるだろうと思いその後友達とカラオケに行く約束をしていたので友達2人に近くのコンビニで待っていてもらった。
待ち合わせに現れた彼はなんだかいつもより様子がおかしくてとにかく寒かったので早く帰りたかった。(相変わらずひどい)
私が改めて別れたい旨を伝えると彼は漫画の主人公の様に歩きながら喋りだした。
え?寒いんだけど?と思ったが、もう歩き始めた彼を止められないのでしかたなくついて行った。
彼はなんかずっと言っていた。多分思い出とかそんな感じの事を。でも横並びじゃないから聞こえない。
とりあえず相づちはうっておいた。
終わったかなぁと思うとこちらを振り返って急に抱きついてきた。
わりと夕方のお散歩する方が多い時間帯でけっこう人にじろじろ見られるし、もうこちらは1ミリもなんとも思ってないのでススス…と離れた。
そして彼に誕生日にもらった指輪を返還すると彼は指輪を握りしめて、その拳を見つめ川の方を向いて大きく振りかぶった。
え!?投げるの!?
ちょ!どこまで漫画だよ!!
そんで人見てるよ!?けっこうギャラリーいるよ!?!と思った私は慌てて彼の腕を止めて『思い出は取っとこう。』となだめた。
投げる気満々だった彼は肩透かしをくらいビックリしていたが、もう完全に漫画の世界の住人になっていたのですぐにそれを了承しポケットに入れた。
長くなったからまた続く。
(もったいぶる内容じゃねえ!)