ちょっぴりデリケートなお話。
高校生の時に初めて友達とバイトした寿司屋さんで、店長につれられ初めましての挨拶回りをしてる時に、当時29歳くらいの女性の社員さんに挨拶をして
『若いね〜!高校生!?頑張って〜』
と言われ、『『ありがとうございます!頑張ります!』』と返事をし狭いバックヤード内で彼女の横を通って次の人に挨拶へ行こうとした瞬間…
『『!?!?!?!!!!!?』』
あまりにも衝撃的すぎる臭いに私達は顔を見合わせた。
そう、脇のあれだった。
千と千尋に出てくる河のやばい神様を迎える時の千尋の気持ちがよくわかる瞬間だった。
本当に衝撃的で今でも忘れない。
そんなこんなで大人になり、そんな事を忘れていたが、例の元彼がそれだった。
しかし恋は盲目。若いし、ずっと一緒にいると慣れちゃうし、もはやなんとも思ってなかった。そして本人も自覚をしていた。
同時期に友達と友達の彼氏とよく3人で遊んでいた。友達の彼氏は車でよく色々なところに連れて行ってくれた。
夏のある日私は後ろの座席に座ってた。
ジメジメして暑い日だった。車に乗り込みクーラーをつけてしばらくすると様子がおかしい。
鼻がもげそう。なんならちょっと気持ち悪くなってきた。
そう。友達の彼氏も同類の彼だった。
これは友達は気付いているのか…?
私の鼻はもつのか…?
朦朧とする意識の中ちょっとだけ窓をあけて外の空気がいいね!とアピールしてその場をしのいだ。
それから数年。同じ時期に別れた私達。
お互い同じくらいの長さ付き合ってたのでちょくちょく話には出てきた。
友達が『じつは元彼、脇のあれだったんだよね…』と切り出した。
『あ、、、実は知ってた…。』と当時の話をして自分の元彼もそうだった事を伝えた。
恋は盲目だから自分の彼氏であれば全然気にならないと共感し合った。
そして彼らが愛用してる制汗剤は同じ物で、そのメーカーは最強で本当に臭いがしないよね!と攻略法まで同じだった。
それ以来元彼の話をする時は「脇の彼」と言っている。
今でも時々街中で脇の彼を感じる。
交差点でも向かいのホーム急行待ちの踏切あたりこんなとこにいるはずもないのに。
でもワンモアタイムは望んでない。